仏壇の置き場所


 仏典に「信は荘厳より生ずる」という言葉がある.信仰といらものは荘厳な雰囲気を保たないとおきてこないことを教えているわけで、その証拠に神社、仏閣は荘厳な雰囲気にしつらえ、よく掃除をし、きれいであることが第一義となっている。僧侶の日課の中でも、清掃は大切な用務の一つである。
 仏壇というものは、お寺の本堂の延長のようなもので、まず清潔であるべきである。.だから家の中でもっとも清浄な場所に安置される必要がある.適当な場所として客間か、居間ということになる.台所では人の出入りも多く、食事の支度で汚れやほこりもたちやすい。時にはお尻を向けて座ることもあり、先祖に対し失礼である。やはり信仰の中心というものは、身近な生活から少し離れた、家全体からみても家族が一ばん大切にする部屋が望ましい。仏壇の方角については南きと東向きが良いとされている.南向きということは北を背にするということである・これは古来より、北は尊い方が座る座といわれているからである.「君子南面す」とか、それを守護するために「北面の武士」という言葉があるように、北は貴客の場と考えたものである。多くの寺院の本堂も必ずといつてよいほど南向きであり、ご本尊も南、もしくは東を向いておられる.中には北向き不動といつて特殊な例も見られなくもないが、これはごく一部である。
 東向きの場合は、礼拝の時、西を向くわけで、西方浄土の方角に向くことになるから適当といえる。.しかし昨今の住宅事情では、仏間を別に設けたり、方角うんぬんといっていると、とてつもなく高いものになるしアパート、マンションには住め'なくなってしまう.だからできる限り、南または東向きということに留意し.余程無理な場合は、方角にこだわるのではなく、仏壇という聖域をいかに保つかに配慮すべきである。